先日言及した『高校2年生の夏』について
たぶん、いちばん眩しくて楽しい時期なんだと思います。
だからわたしは高校2年生の話ばかりしていて、
高校2年生の記憶ばかり思い出しているわけです。
自分は大人だと大きな声で主張したくなるけれど、
何かの責任を負わされそうになればまだ子供だと言い訳ができる歳。
学校っていう守られた環境でいちばん好き勝手できる歳。
しかも、夏なんて。
人生でいちばん長くて短いお休みですよ。
照りつける陽光と、夏服と、うなじに垂れる汗が、いつになっても青春を想起させませんか。
昔話なんてするつもりはないけれど、わたしが高校生の話をするときは大抵夏の放課後を思い浮かべています。
冷房のために締め切った窓と、それでも微かに聞こえる運動部の掛け声を聞きながら、
彼らが教室に残って何をしていたのか、気になって仕方ないのです。
ほんとのことを言うと、今年の夏だって人生で一度しかないし、
今日という1日も、もちろん人生で一度しかない日なんです。
でも、高校2年生の夏は、
永遠に続くんじゃないか、って思いませんでしたか?
ちょっとだけ、あの夏を思い出しました。
うだる夏の日、遊園地に行ってお化け屋敷でケラケラ笑ったり、
少しでも可愛くなろうと髪を結って会いに行ったり、
そのせいで、いつになっても課題が終わらなかったり。
どうしようもなくつまらなくて代わり映えのない日々を過ごしていたけれど、それができたのは結局のところ、「今日みたいな日がずっと続くのだ」と漠然と認識していたからなのだと思います。
学生のうちに遊んでおけ、とよく言われるようになりました。
高校のときは目に見える形で、それは卒業と同時に消えたように感じたけれど、
やっぱり学生は大人やらなんやらの強い力に守られているのを感じます。
だから平穏で何でもない日が過ごせて、そしてそれをつまらないと嘆くのだと思います。
そうは言っても何もできないけど、やっぱり永遠じゃない時間を一所懸命に使っていかないといけないので、
わたしは知らない土地に足を踏み入れることを目標にしました。
でも、
できることなら、高校2年生の夏だけもう一度やり直したいです。
きっと記憶を持ってやり直しても同じように時間を無駄にしながらヘラヘラしているんだろうけど。
冬が好きなわたしのはなしでした。